Jan 25, 2014

SHOWCASE 2013 Catalogue

2013年11月2〜4日に東京・渋谷で開催されたSHOWCASEの図録で、「デザインを鑑賞する」という題で総括的なテキストを執筆。SHOWCASEはE&Y、メソッド、スープ・デザインが主催したデザインエキシビションで、藤城成貴、中山英之、織咲誠、スズキユウリらが参加。賛否両論がありながらも、個人的にはとても気に入った展示だったので、こういうかたちでかかわれたのはよかった。

テキストでは、1990年代後半以降にクリティカルデザインはじめ新しいデザインの流れが世界的に存在感を増したことと関連して、昔ながらの定義に当てはまらない「デザイン」を鑑賞の対象にする動きを取り上げた。この展覧会が賛否両論だったのは、デザインを鑑賞する意義が日本に根づいていないことと関係しているはず。同時期に東京都現代美術館で開催されていた「うさぎスマッシュ展」はじめ、状況は変わりつつあるけれど。

Jan 21, 2014

ELLE DECOR Feb 2014

2014年のデザイン界のトレンドを予測する特集の中で、いま注目したいデザイナーやデザインイベントなどを挙げた。ミラノサローネのような場では無名に近いながら、自分たちの価値観に忠実な仕事を積み重ねてスターになったパリのシグーのように、独自のペースやスタンスに基づいて活動するデザイナーを個人的に気にしたいというのがひとつ。あとはデザインよりもデコレーションという視点から、空間やプロダクトを捉えるデザイナーに惹かれている。誌面で紹介したのはミラノのStudiopepe、ニューヨークのLeon RansmeierとChiaozza、バーゼルのDEPOT BASELなど。写真は2013年4月にミラノのギャラリーGarage Milanoで開催されたグループ展「Juice」から。 このエキシビションのキュレーターはStudiopepe。彼女らはデザインの仕事だけでなく、デザインキュレーターとしてのセンスも優れている。

なおエル・デコの新年第1号はトレンド予測が定番特集で、今まで新進デザイナーとしてシュテファン・ディーツやミュラー・ファン・セーヴェレン も取り上げてきた。今年のこの号の第1特集「ふたり暮らしの部屋」では、彼らの自宅やスタジオも紹介されている。

その他の記事では、MITメディアラボの副所長、石井裕教授にINTERSECT BY LEXUSにて取材。 その後、レクサスは2014年のミラノサローネでMITメディアラボと組んで展示を行うことが発表されている。

Jan 10, 2014

AXIS Feb 2014

定例のInspirationで、2013年秋に来日したフランスのシグー(Cigue)のメンバー、ユーゴ・アスに取材した記事を掲載。シグーは昔気質の大工集団というイメージと、今日的な空間を次々に手がけるトレンドメーカーというイメージを併せ持つ。そんな二面性について面と向かって質問できたのも、彼のキャラクターのおかげ。あからさまに先端技術を活用したデザインとは異なり、シグーは手仕事や素材感を大切にしていて、彼らの作品にコンピュータや最新機器を使った痕跡は見えにくい。しかし実際は、両者を巧みに融合している一面もある。

写真は彼らの出世作のひとつ、パリのマレのイソップのショップにて。とても緻密で丁寧な仕事をしている。

Jan 5, 2014

Casa BRUTUS Jan 2014

特集は「ベスト・デザインカタログ2014」。「インダストリアル」「80s」「シュールレアリスム」など10のテーマでスタイリングされたページで、個々のテーマの説明と掲載アイテムの説明文を担当。またシグーやデンマークのHAYのメッテ・ヨート・ヘイの取材記事と、ジオ・ポンティ、アンジェロ・マンジャロッティ、ジョージ・ネルソンといった巨匠の最新動向(回顧展や復刻アイテムなど)を紹介する記事も書いている。

後半では2013年の秋のデザインイベントの報告ページも一部担当。その関係でピエロ・リッソーニに取材した際、彼にとって大好きな日本だが、最近の右傾化だけは心配というコメントがあったりもした。

写真は工学院大学の「ゆれる輪郭」。誌面では紹介できなかったけれど、東京デザイナーズウィークで印象的だったもののひとつで、ASIA AWARDSの学校賞グランプリにも選ばれていた。

Jan 3, 2014

Pen Jan 1-15, 2014

定例の巻頭コラム、デザインログで波佐見の「ものはら/くらわんかコレクション」と、青物横丁のモノ:ファクトリー品川ショールーを紹介。くらわんかコレクションのパターンをデザインしたのは、以前、やはりPenでインタービューしたことのあるアンディ・クルーズ率いるハウスインダストリーズ。モノ:ファクトリーは、廃棄物がいわゆる“ゴミ”ではなく、大きな価値を秘めていることが実感できる貴重なショップ。

この号では他に、東レのウルトラスエードを使った清川あさみさんの茶室のインスタレーションについて、清川さんと書家の武田双雲さんの対談をまとめた原稿を担当。ふたりのエンターテイナーぶりというか、アートとマスを繋ぐ力にひたすら感心させられる。

写真は「くらわんかコレクション」の発表会の様子。スタイリングは作原文子さん。