Jun 25, 2013

Casa BRUTUS Jul, 2013

ミラノサローネの速報ページで、今年活躍したデザイナーやトレンドを紹介する原稿を一部担当。またレクサス、東京物産展、USMなどの展示について書いた。

この号で大きく取り上げられているOMAによるKnollの家具「Tools for Life」はミラノで展示を見逃して特に残念だったもののひとつ。プレゼンテーションも見事だったらしい。展示期間がサローネ会期中のうち3日間のみと短かったこともあるけれど、ミラノでは毎年こうして後悔することが必ずある。それほどに規模が大きいということではあるけれど。

写真は誌面でも紹介しているコンスタンティン・グルチッチのMAGISからの新作「Traffic」。おそらく今年のサローネで最も注目を集めた椅子のひとつ。ミラノでは、この椅子について彼に取材することもできた。

pen, Jun 15, 2013

特集は「北欧の家具と器」。その中で、スティグ・リンドベリなどのヴィンテージの器と、アルテック、マリメッコについてのページを担当した。マリメッコは個人的に注目しているアイノ・マイヤ・メッツォラらに触れた。彼女の新作は誌面にも載っているが、その他の秋の新作も充実していて、テーブルウェアなどもラインアップされるらしい。

またミラノサローネの速報ページでは、フランスの次世代のデザイナー5人によるグループ展「Nouvelle Vague 2」を紹介。参加デザイナーはPauline Deltour, Guillaume Delvigne, François Dumas, Victoria Wilmotte, Dan Yeffet。彼らのファッショナブルな作風がコンテンポラリーデザインの中で存在感を高めつつある傾向と背景を説明した。同じ企画では川上典李子さんが新進ブランドのDisciplineを、猪飼尚司さんがオランダのJesse Visserを取り上げている。

写真はDan YeffetによるWave stoolのNouvelle Vague Edition。鏡と同じ製法でつくられたガラスのスツールで、今まで見たことのない色を持つ家具になっている。


VALUES, 2013 Summer

ダイナースの会報誌「VALUES」で、ミラノサローネに出展したエルメスについて文章を書いた。今年、一連の新作家具をデザインしたのはフィリップ・ニグロ。それらの家具は、19世紀までフランスで使われていた、大切なものを収める工芸品の箱、ネセセールの要素がさり気なく生かされている。

ここ数年のエルメスはホームコレクションに力を入れていて、ジャン・ミシェル・フランクの復刻家具をパリで発表した後、翌年からミラノサローネに本格参入した。1年目はミラノの大御所であるエンツォ・マーリとアントニオ・チッテリオによる新作家具を発表、昨年は(東日本大震災をふまえてか)坂茂を起用した「module H」を発表、そして今年はミラノの巨匠ミケーレ・デ・ルッキに師事したフランス人のニグロを抜擢した。サローネという場の文脈の読み方が実に丁寧で巧み。結果、新作も展示手法も多くのメディアで絶賛されていた。

なお、この号ではフオリサローネについての記事を伊東史子さんが担当されていて、その構成と文章がすばらしい。他の都市のデザインイベントや見本市とは異なり、「ミラノには大人の対話がある」という話など。ジェームス・アーヴィンを哀悼し、その人となりを紹介する一節も。

写真は今年のエルメスの展示の会場になったチルコロ・フィロロジコで。

Jun 1, 2013

商店建築 Jun 2013

ミラノサローネの特集ページで、総括的なテキストと一部のキャプションを担当。総括ではHermes, Vitra, Moooi, Moroso, Azucenaなどを取り上げて、この年に見られた傾向について書いた。サローネの記事というとどうしても「よかったもの」を取り上げることになるけれど、実際はネガティブな面も多く、しかしそこに次のステップへのヒントがあったりする。これは6000字という雑誌としては少々長めの原稿だったので、近年の日本の出展に感じる課題やサローネの意義そのものにも触れることができた。

定例「デザインの新定義」では、スウェーデン在住の古山春香さんに取材。卒業制作作品の「lilla ateljen」や活動のスタンスについて聞いている。

写真はEmecoから発表されたKonstantin GrcicのParrish chairの夜間インスタレーション。場所はミラノ市内のBar Bassoの隣。 メッセージは「First, Let's Make Things That Last.」。